鼻とお顔の症状
鼻詰まり
鼻詰まりは、鼻の中の空気の通りが妨げられるために起こります。その原因となる病気には、急性鼻炎や慢性鼻炎、アレルギー性鼻炎などがあります。これらの病気では、主に下鼻甲介の鼻粘膜に炎症が起きるために、鼻粘膜が腫れて、空気の通りが妨げられます。慢性副鼻腔炎のように、鼻汁の分泌が多い場合にも、鼻詰まりが起こります。これは、多量の鼻汁で空気の通りが塞がれるためです。同様に、鼻かぜを引いて鼻汁が多く出る場合にも、鼻詰まりが起こりやすくなります。
鼻炎や副鼻腔炎の症状がないのにもかかわらず、鼻詰まりが起こる場合は、鼻中隔弯曲症が原因になっている可能性があります。鼻中隔は、鼻の内部を左右に分けている仕切りのようなものですが、弯曲がひどいと、狭められている側の鼻腔に、鼻詰まりが起こりやすくなります。鼻茸(はなたけ)といって、キノコのようなポリープが鼻粘膜にできることもあります。この鼻茸が障害物となって、鼻詰まりが引き起こされることもあります。数は多くありませんが、鼻の腫瘍でも鼻詰まりが起こります。とくに片側の鼻詰まりでは、注意を要します。
鼻汁が喉に流れる
「後鼻漏」といって、慢性副鼻腔炎の症状のひとつとして起こります。一般に、慢性副鼻腔炎では、黄色っぽい鼻汁が多いのですが、粘性のこともあります。喉に流れた鼻汁が、長引く咳や痰の症状になることもあります。
鼻が痛い
鼻におできができたり、鼻に湿疹ができると、痛みが起こります。おできは、小鼻、鼻の先、鼻の入り口などにできますが、湿疹は、ほとんどが鼻の入り口に発生します。鼻を頻繁にかんだり、鼻毛を抜いたり、鼻をいじったりすると、おできや湿疹ができやすいので注意することです。
鼻が乾く
鼻が乾く一番の原因は空気の乾燥です。エアコンの使い過ぎなどで湿度が30%以下に下がると、鼻の内部の湿度も下がって、鼻が乾きやすくなります。また、最近はあまり見られなくなりましたが、慢性萎縮性鼻炎があるために、鼻が乾くこともあります。
鼻血が出る
鼻血(鼻出血)の代表的な原因が、鼻の打撲や外傷です。また、鼻汁が多い時に強くかんでも、出血することがあります。一般に、鼻血は、鼻の入り口の毛細血管が切れて起こりますが、これは、鼻の入り口には毛細血管が多いうえ、粘膜のすぐ下に血管があって浮き出た形になっているためです。したがって、ささいな刺激が加わっただけでも血管が切れやすいのです。
鼻からの出血で最も注意を要するのが、良性や悪性の腫瘍が潜んでいる場合です。鼻出血が何度も繰り返されたり、鼻汁に、血が頻繁に混じっている時は要注意です。
顔が腫れる
顔の片方が急に腫れるのは、歯に炎症があったり、急性の蓄膿症(急性副鼻腔炎)などの時に見られます。その他、流行性耳下腺炎の時も耳の下から頬にかけて腫れて痛くなります。尚、痛みを伴わない腫れは、上顎や耳下腺の腫瘍のことがあるので、精密検査を受けることをお勧め致します。
顔面神経麻痺
片方の口もとから水が漏れたり、片方の目が閉じづらいなど、片方の顔の筋肉の力が弱くなります。原因は色々な場合がありますので、ご来院の上ご相談下さい。顔面の症状は、いずれも多くの原因があります。耳や鼻や口の病気が原因となっている場合もあります。また、鼻が原因で眼の症状(眼球突出、眼球運動障害など)が現れることもあります。